ダイバースメディアが送るゲームクリエイター独占インタビュー・第6回は、プログラミングができなくてもRPGの制作が楽しめる『SMILE GAME BUILDER』などを手掛け、”私たちの商品で誰かを笑顔にしたい”をモットーに愉快なコンテンツづくりをつづける株式会社スマイルブーム 長井伸樹取締役にお話を聞きました。
今回のインタビューでは、昨年正式版がリリースされ大好評発売中の『RPG Developer Bakin』(以下、Bakin)について、その着想や込められた思い、開発の裏側をお届けします!

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作品概要
『RPG Developer Bakin』
ジャンル:ゲーム開発(プログラミング不要のRPG制作ツール)
開発元:株式会社スマイルブーム
定価:9,200円
プログラミング不要!誰でもRPGが作れるツール! 『RPG Developer Bakin』は、プログラミングの知識がなくても、さまざまなタイプのRPGをはじめ、アドベンチャーゲームやアクションゲームなどを気軽に作れるツールです。
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ダイバースメディアでは”他のメディアでは読めない・ここでしか体験できない”記事を提供するため独占インタビューをWEBで公開。また、Xやnote版でも幅広くクリエイターの皆さんの生の声とゲームの最新情報、ライターによるレビュー等をお届けしています。
インタビュー | DIVERSE MEDIA
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懐かしのあのゲームも!スマイルブーム社長の小林さん&取締役長井さんの経歴を聞く
※ダイバースメディア…
株式会社スマイルブーム 長井伸樹さん…

本日はよろしくお願いします!改めまして、株式会社スマイルブーム設立の経緯をお聞かせください。

私自身は設立当初からのメンバーではないのですが、社長の小林貴樹がプレイステ―ションの『俺の料理』やニンテンドーDSの『だれでもアソビ大全』をつくったディレクターなんです。
小林はPC-8801(※80年代に販売されたパソコンのシリーズ)の時代からゲームを作ってきた人間で。「楽しいものを作りたい」という思いの元、2008年の1月に設立したのが株式会社スマイルブームです。

『俺の料理』懐かしいですね!コントローラーのスティックを使ってビールを注いだり。

そうです、そうです。そういうアクションと、お客さんをさばいていくのを組み合わせたゲームですね。

『俺の料理』と同じキャラクターが出てくる別のゲームもありましたよね。すごろくをしながらやるゲームで。

『ガチャろく』ですね!それも小林が作ったゲームです。
※『俺の料理』…1999年に発売されたプレイステーションのゲーム。左右のアナログスティックを活用するプレイが特徴の料理アクション。
『ガチャろく』…スゴロクとミニゲームを組み合わせたアクションボードゲーム。最大4人でプレイでき、他のプレイヤーのミニゲーム中にサイコロを振ったり、乱入ができる画期的なシステム。2002年にプレイステーション2にて発売。

そうだったんですね!では、長井さんがゲーム開発を志されたきっかけはなんでしょう?

私が大学を出たのが33年前くらいの話なんですが、大学にはサボりながら通ってまして(笑)
その頃は漫画家になるつもりでいたんです。作品賞をもらったりして編集さんと色々話し合ったりもしていたんですが、これじゃあ食っていけないなとなって。
漫画家になるつもりだったので、就職活動もしていなくて。当時のゲーム業界はアーケードも活発でファミコンやスーファミの全盛期でしたが、まだ一般的にはゲーム業界/おもちゃ業界はアウトローなイメージもあって。
なので最初は志したというより、自分を受け入れてくれるところを探して選んだのがゲーム業界だったという感じでした。
とはいえ元々、子供の頃からゲーム自体は好きで。富士通やNECのPCを買ってもらってカセットテープのゲームを遊んだりしていました。
必要にかられて入ったゲーム業界が、水に合ったという感じですね。熱意は後からついてきました。


▲東京ゲームダンジョン11のBakin株式会社スマイルブームさんの出展ブース(左)と取材に応じてくださった長井取締役(右)。
未来のクリエイターを育てたい。『RPG Developer Bakin』で2Dも3Dもあなたの思い通りに

では次に、今回お話しを伺うBakinの開発までの経緯を教えてください。

まず、弊社は受託開発をメインにやっています。Nintendo Switch™の『スーパー マリオパーティ』や『世界のアソビ大全51』などは一部収録ゲームの実装を担当しています。
その裏で自社の商品も連綿とやっていて、代表作のひとつは『プチコン』です。
※『プチコン』(海外では『SmileBASIC』)…パソコンの黎明期から使われているプログラミング言語「Basic」を使って気軽にプログラミングが楽しめるシリーズ。2019年にはニンテンドースイッチにて『プチコン4』もリリースされている。
https://www.petc4.smilebasic.com/
そういった自分でプログラミングが出来るツールを作り始めてから、今年で15年になります。
社長の小林の「未来のクリエイターを育てたい」「自社としてそういう制作エンジンを作りたい」という思いからツール開発を続けて、2016年に『SMILE GAME BUILDER』というBakinの前作にあたるものを発表しました。
そこから続編である2022年アーリーアクセス開始のBakinへ、というのが大まかな流れですね。
私が2019年に入社しているので、その時点である程度開発は進んでいて。
描画のコアエンジンから自社内で作っているので、その上にのっかるエディタ部分を進めているタイミングでした。
最初はなんでも作れるツール、Unityのようなオールラウンドにしようとしてたんですが
それだと、受託開発じゃないメンバーは少数なので作りきれませんよ、となって。
それならフル3Dをインディーゲームで作るのは難しいから、2Dと3Dがどちらも作れるツール、かつRPGに絞ってみては?と。

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長井さんは、業務のどういった部分をご担当されているんでしょうか?

会社全体でいうと何でも屋ですね。デバッグから、仕様を書いたり、プロモーションですとか。もう本当に何でもやります。メールも返しますよ!
取締役という肩書きではありますが、ひとりが何でもマルチにやっていく必要があるので。現場の一兵士として働いています。老年兵だと思ってもらえたら(笑)
「ゲーム作り 始めただけで 大勝利」ゲームは楽しい、作ったらもっと楽しい!

『RPG Developer Bakin』というタイトルに込められた意味を教えてください。

不思議なタイトルだと思われた方もきっと多いと思うんですが、これは「曲亭馬琴」からきています。『椿説弓張月』『南総里見八犬伝』で有名な江戸時代の作家です。
馬琴は、いわゆる長編ファンタジーを日本で初めて発行した商業作家なんですね。
このBakinというツールを使って、ゲームを作る人達に自分の壮大な物語を描いてほしいという思いでネーミングしました。
ただ、海外の人には「ベイキン」と発音されてしまったりもします(笑)

曲亭馬琴自体を知らないからかもしれないですね。

そうですね。Bakinがどんどん広まって、「バキン」という読みが定着してほしいなと思っています。

では、本作のジャンル・コンセプトを一言で表すと?

「誰でもどなたでも、あなたのゲーム作りが楽しめるツール」がコンセプトです。
自分自身の頭に浮かんだストーリーやシステムが誰でも形にできる、しかも楽しくということを大事にしてます。
ゲームづくりって楽しくないとダメだもんね、という。
小学生くらいのお子さんでも作れるような、初心者の方にも優しいツールを目指しています。
小学生向けのワークショップなども開催しているんですが、そこでの1~2時間のレッスンでも作れるという感じです。今のお子さんは頭の回転が早いですから。
ゲームって、マップがあって、キャラクターがいて、宝箱があって中からアイテムが出てくる…これがどういう要素の繋がりでゲームとして完成されているか、ほとんどの方は知らないで遊んでると思うんですね。
でも説明書があったり、完成へ導くためのステップがあればわかる。
Bakinでは、一個一個の要素をなるべく簡単にしてるんですけど、もっともっとわかりやすくしていきたいですね。
サポートツール情報などもブラッシュアップして、どんどん出していかないとなと思ってます。

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どのようなプレイヤー体験を最も大切にされていますか?

とにかく「ゲームを作るって楽しい!」と思ってほしいですね。
今って老若男女問わずゲームを遊ぶと思うんですが、ゲームをプレイするのは楽しいけどゲーム作りはもっと楽しい。
「こんなの本当に自分で作れるの?」って思ってる人に、作れますよ!って触ってもらってゲーム作りって楽しいなぁと思ってもらう。
それが、何よりも大事にしていることですね。たくさんの人に、人生の中で一回でもゲームを作ってもらう。
「ゲーム作り 始めただけで 大勝利」と掲げている通り、誰でも「ぼく/わたし、ゲーム作ったことあります!」って言えたらいいなと。
ゲームね、一回くらい作ったことあるよ、という普通の感じで。
例えば同窓会のとき「あの時こんなスポーツやってたよね」っていう話をするのと同じように、「あの時お前が作ってた、怖い先生をやっつけるみたいなゲーム面白かったよなぁ」「あんなくだらないゲームも作ったよなぁ」っていう話題が普通に飛び出すようになったら嬉しいですね。
一度作って、その後やめることがあってもいいと思うんです。
そういえばあの時作ったあのゲームをまた見てみたいな、と思い出すとか。年を取ってから「そうだ、また作ってみようかな」とか。

「ゲーム作り」が当たり前にある風景、素敵だと思います。では、Bakinの開発で特にこだわったポイントはなんでしょう?

うちの場合はツールの機能ですが、2Dと3Dを組み合わせた、ドット絵と立体的な背景が融合したような表現をイメージしていただけるとわかりやすいかなと思いますが、高度なビジュアルエフェクトが手軽に使えるという点ですね。
ポストエフェクト、画面全体にかけるフィルターのようなものだったり。被写体深度という遠くのものはピントが合わないようにできるとか。あるいは、光が当たると色味が変わるような機能とか。

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こういったものを手軽に扱えるようにしようというのはこだわっています。
具体的なところでいうと、昼間のシーンを夜に変えるようなことも手軽にできます。
UnityとかUnreal Engineなどを使ってプロのゲームクリエイターさんが作り出すビジュアルを、初心者の方でも作れるようになっています。
プロのような環境を、なるべくわかりやすく小学生でも使えるようにというのがBakinのこだわったポイントです。
作りたいもの、思い描いたものを最大限ゲームの中で実現できる。そのためにありとあらゆる機能はもちろん、ツール全体を頑張って作っています。
まだまだアップデートも。あなたの「こんな世界が作りたい!」に寄り添う『RPG Developer Bakin』

本作の着想はどこから生まれましたか?

「未来のゲームクリエイターをつくりたい」という思いが一番大きいですね。

では、そういったツールを作る上での一番大きな苦労というのは何でしょうか?

そうですね…日々苦労の最高点が更新されていくんですが(笑)
ユーザーさんが使える形、わかりやすい形に整えることの難しさはまず1つありますね。
どこか一箇所を変えると色んな場所に波及してしまうので。
例えば「新たな独自のステータスを自分で作れる」という要素について。「力」「魔法」だけでなく「運」という項目をポチッと入れ込めるとします。
それを作ったらイベントで「運」の値を上下させるコマンドをつくらないといけないですよね。ゲーム中に「運」というステータスを表示する必要もある。
それを組み込むことで、既に作ってあるどの要素に影響するのか?を常に考えて開発する必要があります。

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各要素の絡みを考えることと、みんなが使えること。そこはやはり苦労した点ですね。
とある「A」というゲームのための機能なら「A」というゲームに関わることだけ実現できれば良いのですが…Bakinの場合は、色んな人が色んな用途で、いろんなあり方で使うと考えると、例えばRPGパーティの控えメンバーひとつ取っても全然違うわけです。
色んなゲームにおける「控えメンバー」の型を知っておく必要もあります。
ユーザーごとに考えていること、思っていることが違いますから。
その全てに…というところまではなかなかいかないこともあるんですが、出来るだけ満遍なく、幅広い「こんなゲームが作りたい!」に応えたいと思っています。

素晴らしいです。そんな長井さんにとっての良いゲームとは、どんなゲームでしょうか?

これはですね、「やったことの結果が、納得いく形で跳ね返ってくる」のがいいゲームだと考えています。
Bakinのようなツールもそうですよね。自分がやったことが、成功するにしろ失敗するにしろ跳ね返ってくる。

では、今回の開発でご自身が成長したと感じた点はありますか?

私は、ゲーム制作ツールをつくるのはBakinが初めてなんです。
そういう意味でいうと、制作ツールをつくるのはサービスをやっているのと同じだなと。
ユーザーさんの意見とか、報告なんかを見ながら常にアップデートをしていく点ですね。
Bakinのユーザーさんは優しい方ばかりなので、フィードバックをいただきながら、それをどうアップデートに返していくか。その積み重ねを長く続けていくことが大事なんだなと思っています。
そういう経験を通して、ユーザーさんと向き合いながら開発を続けていく感覚が、少しずつ身についてきたなと思っています。

Bakinの今後の展開としては、どのような予定がされているんでしょうか?

Bakin公式サイトに今後のロードマップを設置しているので、そこに記載してあるものの実装を予定しています。

それ以外にもまだヒミツの機能も構想していたり…。ぼくらが倒れなければ追加していきたいですね(笑)

楽しみにしています!では最後に、読者へのメッセージをお願いします。

Bakinを使って自分で作ったゲームは、商用でも自由に発表することができます。
ぜひあなたの思い描いた世界を、そしてゲーム作りそのものを楽しんでもらえたらと思います!
最新情報はXにて「#RPGBakin」で検索してみてください!
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