『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』公開前に見るべき作品3選──宇宙世紀の流れを完全ガイド!

アニメ

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、アムロ・レイとシャア・アズナブルという二人の因縁に終止符を打つ、いわば彼らの物語の完結編とも位置づけられる作品である。

本作に先駆けて放送された『機動戦士ガンダムZZ』が、比較的コミカルかつ明るいトーンを持つ作風であったのに対し、『逆襲のシャア』は一貫してシリアスな演出と重厚なテーマ性を特徴としている。戦争、理想、そして人類の進化をめぐる思想的対立が、アムロとシャアという両雄の対決を通じて鮮烈に描かれている点が、本作の大きな魅力である。

また、先日放送された『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX』の劇中において、本作の主題歌「BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙を越えて)」が使用されたことにより、再び注目が集まっている。

あらすじ

Zガンダムでの戦いは、のちにグリプス戦没と呼ばれた。グリプツ戦没以降、消息不明となっていたシャア・アズナブル——またの名をキャスバル・ズム・ダイクンは、数々の戦を経てもなお、スペースノイドに対する搾取を辞めない地球連邦政府に対し、反乱の狼煙をあげる。

彼の率いるネオジオンの狙いは、核兵器の搭載したアクシズを地球に衝突させることで、世界に「核の冬」をもたらすことであった。これを知ったアムロらは抵抗を行うが、その過程でブライト・ノアの息子、ハサウェイ・ノアは、連邦政府高官の娘、クェスの死を目の当たりにする。

アムロは、宿命のライバルであるシャアとの最終決戦を制し、彼を拿捕したのち、自らのガンダムをもって、地球へと落下しつつあったアクシズを押し返そうとする。

その決死の行動に呼応するかのように、地球連邦軍のモビルスーツ部隊、さらには一部のネオ・ジオン所属機までもが行動を共にし、アクシズの進路を変えるべく加勢する。やがて、人々の想いとサイコフレームを搭載したガンダムの意志が共鳴を始め、機体からは眩い光が溢れ出していく。

その光の奔流は、ガンダム以外のすべての機体をアクシズから弾き飛ばし、ついには巨大な質量を持つアクシズそのものを、地球の重力圏から押し戻していった。

アムロとシャアをその内部に残したまま、サイコフレームが発した光は、やがて地球を包み込むような巨大な光の輪となって広がる。その輝きと、宙に浮かぶアクシズのシルエットは、地上の人々の目にも映り、その瞬間の意味を静かに伝えていた。

こうして、ニュータイプの可能性と人類の希望、そして二人の因縁が交錯した物語は、静かに幕を下ろすのである。

まとめ

本記事では、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』をより深く楽しむために押さえておきたい宇宙世紀作品の流れを紹介してきた。時代を超えて語り継がれるアムロとシャアの物語、地球連邦とジオンの確執、そしてニュータイプの可能性——それらすべてが、「閃光のハサウェイ」へと連なっている。

宇宙世紀という世界観は、確かに一朝一夕で理解できるものではない。しかし、その奥行きの深さこそが、ガンダムシリーズが今なお多くのファンを惹きつけてやまない最大の魅力である。

『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』は、ガンダムという壮大な叙事詩の次なる一章であり、かつての名作に敬意を払いながらも、現代の視点で紡がれる新たな物語である。

宇宙世紀に触れる最初の一歩として、あるいはこれまでの歩みを再確認する機会として、本作はあらゆる視聴者にとって特別な意味を持つことだろう。ぜひ劇場で、その歴史の続きを見届けてほしい。

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