週刊少年ジャンプ編集部では、魅力的な悪役に焦点を当てた『少年ジャンプ+ 悪いヤツ漫画賞』を開催している。
「悪役キャラクター」と聞いて、誰が思い浮かぶか。時には主人公を凌ぐほどの人気を集める悪役キャラクターの魅力とは一体何なのか。
この記事では悪役キャラが物語に欠かせない理由や、なぜ私たちをこれほどまでに惹きつけるのか深掘りしていく。
悪役キャラクターとは?
「悪役」は主に日本独自の表現で、ストーリー上で主人公の敵として登場する存在全般を指す。
同じような意味で「ヴィラン」は似ているが、その意味合いや使われ方には明確な違いがある。
ヴィランは英語圏で使われる言葉で、より強調された悪の象徴や凶悪な犯罪者といった、強い悪意や破壊的な行動を伴うキャラクターに用いられる傾向がある。
悪役キャラクターが物語に必要な理由
悪役は主人公が乗り越えるべき壁として立ちはだかり、読者に「この困難をどう乗り越えるのか」という緊張感と、時に絶望すら感じさせる感情の揺さぶりをもたらす。
たとえば『ドラゴンボール』のフリーザは、「私の戦闘力は53万です」というセリフに象徴される圧倒的な力と残虐性で、敵ボスの代表格となった。
この究極の絶望で悟空は怒りの頂点に達し、『ドラゴンボール』の醍醐味といえる「超サイヤ人」へと覚醒させる引き金となった 。
このシーンは、シリーズ2作目に当たるアニメ『ドラゴンボールZ』のものである。
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なぜ悪役キャラクターは人気を集めるのか
漫画家・荒木飛呂彦氏は、悪役が魅力的な理由の一つは、その自由さにあると語る。
悪役のほうが自由。主人公は読者の共感を得なければならないし正しいことをしなければならないが、悪役は自由にしてよい。悪役の理論、哲学があり「貫いている悪」だと、「いいな」となる。それがないとただの悪党。
出典元:荒木飛呂彦さんに高校生が質問ッ!「魅力的な悪役、描ける理由は?」より
確かに『ジョジョの奇妙な冒険』のDIOは、「おれは人間をやめるぞ!」という宣言と共に、揺るぎない悪の哲学と圧倒的なカリスマ性で読者を魅了した。
「自由」に振る舞える独自の哲学と行動原理から、悪役は物語の光を際立たせる影でありながらも存在感がなければならない。
【ジャンプ】悪役キャラクターの名言・悲しい過去
強烈な名言まとめ
彼らの言動はそのカリスマ性ゆえに名言となり、読者の記憶に深く刻まれる。
ドンキホーテ・ドフラミンゴ|ワンピース

「弱ぇやつは死に方すら選べねぇ」
「正義は勝つって?そりゃあそうだろう。勝者こそが正義だ!」
藍染惣右介|BLEACH

「あまり強い言葉を使うなよ。弱く見えるぞ」
「憧れは理解からもっとも遠い感情だよ」
「一体いつから━━鏡花水月を使っていないと錯覚していた?」
夏油傑|呪術廻戦

「私に従え 猿共」
「ただこの世界では私は心の底から笑えなかった」
悲しい過去を持つ悪役
悪役には行動の根源に悲劇的な過去や、歪んだ理想を抱えているケースが多い。
悪役の背景にある苦悩や葛藤を知り、そのギャップから「もし自分だったらどうなっていただろう」といった強い感情に読者は揺さぶられる。
死柄木弔|僕のヒーローアカデミア

ヒーローを夢見る優しい弔の個性は、残酷にもすべてを崩壊させてしまう能力だった。
突如発現した崩壊の能力は、制御不能なまま触れるものすべてを壊してしまう。
自分の能力に家族が恐怖するなか、唯一救おうとしてくれた母親の手をも彼は掴むことができず、絶望に落とされる。
うちはイタチ|NARUTO -ナルト-

イタチは、自分の一族と里の間で二重スパイを務めるほど忍者として優秀だった。
しかし追い打ちをかけるように里から「うちは一族を抹殺せよ」との極秘任務を命じられる。
愛する家族や同胞を自らの手で殺害するという苦渋の決断をしたが、彼は弟のサスケだけは殺すことができなかった。
里を追放され犯罪者と呼ばれても、弟を愛するがゆえに彼は冷酷非道な兄を演じ続けた。
少年ジャンプ+ 悪いヤツ漫画賞情報

募集情報
審査:少年ジャンプ+編集部
編集長:中路靖二郎
募集期間:2025年9月15日(月)23:59まで
※郵送応募の場合は2025年9月15日(月)当日消印有効
結果発表:2025年12月~2026年1月頃 公式サイトにて
応募資格など
<応募資格>
プロ・アマ問わず、誰でも応募可能。
<募集作品>
・商業誌、商業サイト、商業コミックス未発表の読切作品に限ります
・ジャンル自由
・カラー、モノクロ、タテ読み・ヨコ読み自由
・ページ数無制限です
※おおよそのページ数は過去に少年ジャンプ+に掲載された読切作品をご確認ください
・作品の言語は日本語とします
<応募方法>
ジャンプルーキー!へ投稿、 WEBフォームから投稿、直接編集部へ郵送の3種類の方法で受け付けます。「ジャンプルーキー!」からの投稿は他の投稿者・読者への公開投稿、応募フォーム・郵送からの投稿は非公開投稿になります。
<あて先>
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集英社 少年ジャンプ+編集部
[少年ジャンプ+悪いヤツ漫画賞]

