ウマ娘で注目の“ゴルシ”の血、再び舞う──宝塚記念に見る新たな伝説の始まり

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6月15日、阪神競馬場で開催された宝塚記念は、メイショウウタバルと武豊騎手の逃げ切り勝ちという結果に終わった。メイショウウタバルの父であるゴールドシップは、同レースを2013年・2014年と連覇した名馬であるが、3年目の2015年にはスタートの出遅れが響き、15着に敗れている。今回のレース展開は、そんな父とは対照的であり、中継の解説を務めた元騎手・安藤勝己氏も「ゴールドシップの面影もないね」と語り、その走りを高く評価した。

本記事では、かつての名馬・ゴールドシップと、その血を受け継いだ新星・メイショウウタバルの走りを振り返りながら、『ウマ娘 プリティーダービー』においても強烈な個性で人気を博すキャラクター「ゴルシ(ゴールドシップ)」の魅力について、あらためて紐解いていく。

メイショウウタバルの父・ゴールデンシップとは——黄金の航路

見るものの想像を遥かに超える仕掛けと
それを可能にする剛脚で
誰よりも先にゴールを駆け抜ける。
圧巻のロングスパートで、次々とライバル達を抜き去る
ゴールドシップの辿った道筋は、まさに黄金に輝く航路。
それは、ただひたすらに勝利へ向かっている。(JRA「ヒーロー列伝」より)

父はステイゴールド、母はポイントフラッグ、母の父には名馬メジロマックイーンを持つ良血馬であるゴールドシップは、2009年に生まれ、その2年後の2011年に競走馬としてデビューを果たした。

以後、2012年のクラシック二冠(皐月賞・菊花賞)、有馬記念、2013年・2014年の宝塚記念連覇、そして2015年の天皇賞(春)と、数々のビッグレースを制覇。2015年の有馬記念(8着)を最後に現役を引退するまで、GⅠレースで通算6勝を挙げた。また、史上初となる宝塚記念2連覇を達成し、重賞勝利数も11勝と、テイエムオペラオー、オグリキャップに次ぐ実績を誇る、日本競馬史において文字通りトップクラスの名馬である。

ゴールドシップは、その美しい白い毛並みと、500kgを超える大型馬体に見合った豪快な走りで、多くのファンを魅了した。特に、最後方から荒れた内ラチ沿いを突き抜けて勝利した2012年の皐月賞での走りや、ゲート入りを嫌がって最後方からのスタートとなるも快勝した2015年の天皇賞(春)など、その勝ち方もまたドラマティックで印象深い。

一方で、ゴールドシップは極めてトリッキーな性格でも知られており、関係者をたびたび悩ませたことでも知られている。パドックや返し馬での突然の逸走、ゲート難、気分次第でレース内容が大きく左右される気性の荒さは、時に驚きと混乱を呼んだが、それもまた彼の唯一無二の個性として、多くの競馬ファンに愛される要因となっていた。

引退後は種牡馬として繋養され、2021年には産駒のユーバーレーベンが優駿牝馬(オークス)を制し、初のGⅠタイトルを獲得。その血統は新たな世代にも確かに受け継がれている。前述のメイショウウタバルもまた、彼の血を継いだうちの一頭だと言えるだろう。

ウマ娘におけるゴールドシップとは

株式会社サイゲームスが提供するメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』にも、ゴールドシップをモデルとしたキャラクターが登場する。

「粗暴、奔放! 謎テンションな黄金電波娘」というキャッチコピーからもわかるように、ウマ娘におけるゴールドシップは、史実におけるゴールデンシップのエキセントリックな側面を強調したキャラクターになっている。例えば、他のウマ娘の育成ストーリーが「憧れのウマ娘に近づくため、自分のウィークポイントを克服する」「短距離においては絶対無敵では他に並ぶものはいないが、中長距離の適性はない、しかしながら中長距離のレースに対して強い憧れを抱いているウマ娘が、自分に合ったレースとはどのようなものか、を見つめ直す」といった内容なのに対して、ゴールドシップの育成ストーリーは「地層を調べようとしてボーリングしたら秘伝の書を見つけ、そこに記されているエデンを目指す」というところに端を発しており、彼女のエキセントリックな一面を強調している。

また、ゴールデンシップはウマ娘公式YouTube、「ぱかチューブっ!」にVtuberとしても出演を果たしており、そのことが彼女の人気に拍車をかけている。つまり、ゴールデンシップは、史実においてはもちろん、「ウマ娘」においても、高い人気を誇る名馬であると言えるだろう。

競馬に興味を持ったあなたへ──“ウマ娘”は名馬たちの新しい入り口

中には、今回のメイショウウタバルの走りをきっかけに、競馬や競走馬そのものに興味を抱いた人もいるかもしれない。そうした方にとっては、この機会にぜひ、メイショウウタバルの父であるゴールドシップが登場するコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』に触れてみてはいかがだろうか。

『ウマ娘』では、実在の名馬たちをモチーフにしたキャラクターたちが登場し、それぞれの競走馬としてのエピソードをもとに物語が描かれている。将来的には、GⅠ制覇を果たしたメイショウウタバルが同作に実装される可能性も十分に考えられる。競馬に関心を持ち始めたばかりの方にとって、『ウマ娘』は競走馬の個性や歴史を楽しく学べるきっかけとして、非常に親しみやすいコンテンツであると言えるだろう。

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