フジテレビは、アニメ『鬼滅の刃』劇場版「鬼滅の刃 無限城編」の公開を記念し、2025年6月28日から7月14日までの期間にわたり、アニメ『鬼滅の刃』シリーズを全7夜にわたって一挙放送することを発表した。放送内容は、『無限列車編』から最新の『柱稽古編』までを網羅しており、劇場版への理解を深める構成となっている。
なお、劇場版『鬼滅の刃 無限城編』の詳細については、以下の記事で解説している。当記事では、放送される各エピソードの内容と、それぞれの放映日時について詳しく紹介していく。
6月28日 『無限列車編』
6月28日午後8時からは、『鬼滅の刃 無限列車編』が放送される。本放送では、劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』の前日譚にあたるテレビアニメ版第1話と、劇場版本編を再編集した内容が構成されている。
劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』では、主人公・竈門炭治郎とその仲間である嘴平伊之助、我妻善逸が、鬼の出没が噂される列車「無限」に乗り込み、炎柱・煉獄杏寿郎と出会う場面から物語が始まる。煉獄の圧倒的な実力と人間味あふれる姿が描かれ、多くのファンの心をつかんだ名作である。
一方、テレビアニメ版の第1話では、原作でも描かれなかった煉獄杏寿郎の出発前の行動や、「無限」に乗車するまでの過程がオリジナルエピソードとして描かれており、彼の人柄や信念により深く迫る内容となっている。
6月28日の放送では、こうした「無限列車」にまつわる物語を一夜でまとめて堪能できるほか、同時に劇場版『鬼滅の刃 無限城編』の本予告映像も初公開される予定である。ファンにとっては見逃せない一夜となるだろう。
6月29日『遊郭潜入編』
翌日、6月29日の午後7時からは、『鬼滅の刃 遊郭潜入編』が放送される。本放送は、2021年12月から2022年2月にかけて放送されたテレビアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の前半部分を再編集したものとなっている。
『遊郭潜入編』では、無限列車での激闘を経た炭治郎たちが、音柱・宇髄天元の指示を受け、鬼の潜む遊郭・吉原へと潜入することになるところから、物語がはじまる。鬼の存在を探るため、先行して現地に潜入していた宇髄の三人の妻たちが、調査中に消息を絶ったことから、鬼の潜伏を確信した宇髄は、炭治郎、善逸、伊之助の三人を現地調査に送り込むことになったのだ。
本編では、華やかな外見の裏に不穏な気配を孕む遊郭を舞台に、炭治郎たちがさまざまな葛藤や困難に直面しながら、徐々に敵の正体へと迫っていく姿が描かれる。女装しての潜入調査、情報収集、そして徐々に明らかになる鬼の脅威などといった要素がドラマチックに描写されており、本作ならではの緊張感と人間ドラマが堪能できる内容となっている。
7月3日『遊郭決戦編』
7月3日の午後7時からは、『鬼滅の刃 遊郭決戦編』が放送される。本放送は、前述のテレビアニメ「鬼滅の刃 遊郭編」の後半部分を再編集したものとなっている。
『遊郭決戦編』では、炭治郎、伊之助、善逸それぞれの活躍によって明らかとなった「遊郭に潜む鬼」の正体、そしてその鬼との死闘が描かれる。上弦の鬼との極限の戦いの中で試される、仲間との絆や、それぞれの信念。命を懸けて立ち向かう炭治郎たちの姿、そして音柱・宇髄天元の壮絶な戦いぶりが、本作における最大の見どころだと言えるだろう。
『遊郭編』は、作中屈指の人気エピソードであり、シリーズファンはもちろん、これから『鬼滅の刃』を追いかけたいという視聴者にとっても、見逃すことのできない必見の内容となっている。
また、『遊郭決戦編』の放送にあわせて、メイキング映像『「鬼滅の刃」BEHIND THE SCENES』の新作「柱合会議・蝶屋敷編」も併せて放映される予定である。
7月4日『刀鍛冶の里 敵襲編』
翌日、7月4日の午後8時からは、『刀鍛冶の里 敵襲編』が放映される。これは、2023年4月から6月にかけて放送されたテレビアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』の前半部分を再編集したものとなっている。
『遊郭編』での激闘によって日輪刀を大きく損傷した炭治郎は、新たな刀を求めて、刀鍛冶たちが暮らす“刀鍛冶の里”を訪れる。人目を避けるように存在するこの隠された里で、炭治郎は恋柱・甘露寺蜜璃、霞柱・時透無一郎と再会を果たす。また、かつて最終選別を共にした同期・不死川玄弥の姿もそこにあった。
刀の修復を待つ穏やかな時間も束の間、鬼舞辻無惨の命を受けた上弦の鬼たちが突如里を襲撃。炭治郎たちは、それぞれの場所で戦闘に巻き込まれながら、未曾有の脅威に立ち向かうこととなる。
7月6日 『刀鍛冶の里 繋いだ絆編』
翌々日にあたる7月6日の午後7時からは、『刀鍛冶の里 繋いだ絆編』が放送される。これは、前述のテレビアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』の後半部分を再編集したものとなっている。
上弦の鬼たちとの戦闘において、炭治郎たちはかつてない苦境に立たされる。上弦の肆・半天狗は分裂という異能を駆使して彼らを翻弄し、上弦の伍・玉壺は異様な術で刀鍛冶の里そのものを混乱に陥れる。圧倒的な力を前にしながらも、炭治郎、禰豆子、玄弥、そして霞柱・時透無一郎は、それぞれが命を懸けて戦いに挑む。
物語の中では、これまで断片的に描かれてきた無一郎の過去や葛藤が明らかになり、彼が抱える傷と再生の物語が大きな感動を呼ぶ。また、炭治郎と禰豆子の絆、玄弥の秘めた能力と決意など、個々のキャラクターが交差しながら一つの大きな物語を形作っていく。
特に、シリーズでも屈指のクライマックスとされる禰豆子の“ある変化”は、多くの視聴者の心に深い余韻を残す場面であり、今後の物語を左右する重大な転機として描かれる。
『刀鍛冶の里 繋いだ絆編』は、極めて重要な章である。シリーズを追ってきた視聴者にとってはもちろん、これから作品世界に触れる人々にとっても、強く心に残る内容となるだろう。
7月16日『柱稽古 開幕編』
7月16日の午後7時からは、『柱稽古 開幕編』が放送される。これは、2024年5月から6月にかけて放映されたテレビアニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』の前半部分を再編集したものとなっている。
刀鍛冶の里での激闘の末、禰󠄀豆子の身に起こった“ある変化”や、霞柱・時透無一郎および恋柱・甘露寺蜜璃によって発現した「痣」の存在が、鬼殺隊の中に無惨討伐への希望と覚悟を芽生えさせることとなった。こうした状況を受け、鬼殺隊の統率者・産屋敷耀哉は、隊全体の戦力強化を目的として、柱たちによる修練――いわゆる「柱稽古」の実施を決断する。
「柱稽古」は、各柱が自らの得意分野をもとに隊士たちを鍛え上げる過酷な訓練であり、炭治郎をはじめとする若き剣士たちは、心身を限界まで追い込まれながらも着実に成長していく。また、厳しさの中に垣間見える柱たちの想いや、隊士たちの覚悟が交錯する本編は、鬼殺隊という組織の強さと人間性を浮き彫りにする内容となっている。
7月17日『柱稽古 柱結集編』
翌日、7月17日の午後7時からは、『柱稽古 柱結集編』が放送される。これは前述のテレビアニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』の後半部分を、再編集したものとなっている。
過酷な柱稽古を通じて、炭治郎をはじめとした隊士たちは着実に力を蓄え、精神的にも大きく成長を遂げていく。その一方で、鬼殺隊の柱たちもまた、それぞれの信念と覚悟を胸に、来るべき戦いへの準備を進めていた。
そして、長きにわたって姿をくらまし続けてきた無惨が、ついに産屋敷耀哉の元を訪れる――その邂逅は、物語の流れを根底から変える衝撃的な出来事となる。交わされる言葉、張り詰める空気、そして避けられぬ結末。物語は一気に緊迫の局面へと突入する。
『柱稽古 柱結集編』は、劇場版『鬼滅の刃 無限城編』へと直結する、まさに橋渡しとなる重要エピソードであり、シリーズ全体における大きな転換点でもある。柱と鬼殺隊、そして無惨との戦いが本格的に動き出す本作は、まさしく「無限城編」開幕の序章であると言えるだろう。
新規ボイス&描き下ろしイラストも!特別映像で振り返る鬼殺隊の物語
上記の放送はいずれも、劇場版『鬼滅の刃 無限城編』を存分に楽しむうえで欠かせない重要な内容となっている。
また、今回の特別放送ならではの企画として、新規描き下ろしの提供イラストに加え、『無限城編』の公開を目前に控えた今、各キャラクターの視点から物語を振り返る特別映像が放送される。これらの映像は、すべて新規収録されたボイスとともに構成されており、作品世界への没入感をより一層高めるものとなっている。
シリーズのファンはもちろん、これから『鬼滅の刃』を追いかけたいという視聴者にとっても、この特別放送は見逃せない内容だと言えるだろう。


