2025年9月24日、『響け！ユーフォニアム 10th Anniversary Event Blu-ray BOX』が発売される。本商品は、2025年3月15日・16日の二日間にわたって開催された『響け！ユーフォニアム』10周年記念イベントの全公演を完全収録したBlu-ray BOXである。
内容は3枚組のディスクに加え、当日の模様を収めた写真や詳細なレポートを掲載した特製ブックレットなど、充実した特典が同梱されており、まさにファン必携の逸品と言えるだろう。
本記事では、多くの人々の心を惹きつけてやまない『響け！ユーフォニアム』という作品の魅力を、改めて検証していく。
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TVシリーズから劇場版まで。『ユーフォ』の10年間
『響け！ユーフォニアム』は、武田綾乃による同名の小説を原作とするアニメシリーズの総称である。第1期『響け！ユーフォニアム』は2015年4月から7月にかけて、第2期『響け！ユーフォニアム2』は2016年10月から12月にかけて、いずれもTOKYO MXなどで放送された。
その後も展開は続き、2018年にはスピンオフ映画『リズと青い鳥』が公開。翌2019年には、新作長編映画『劇場版 響け！ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』が、そして2023年には新作中編映画『特別編 響け！ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』が公開された。特に『リズと青い鳥』は、その繊細な映像美と静謐な物語によって高い評価を受け、最終的におよそ3億3千万円の興行収入を記録するヒットとなった。
2024年からは、放送局をNHK Eテレに移し、第3期『響け！ユーフォニアム3』を4月から6月にかけて放送した。また第3期の総集編映画『最終楽章 響け！ユーフォニアム』前編の公開が2026年春に予定されている。
本作品の魅力は、何といってもその圧倒的な映像美と、リアリティにある。
アニメーションという、ある種の抽象化が施された世界観の中にありながら、そこに登場する少年少女たちは、驚くほど等身大で、現実に存在するかのような青春を生きている。この「現実感」と「映像表現」のギャップこそが、当時の視聴者に大きな衝撃と新鮮な感動を与えた要因の一つである。
さらに、作中には吹奏楽経験者であれば誰もが頷くような“あるある”が随所に散りばめられており、それが作品のリアリティを一層裏付けている。練習風景、パート内の人間関係、コンクールへの緊張感など、細部に至るまで丁寧に描かれた描写が、視聴者に強い共感と没入感をもたらしている。
悲劇を越えて響き続ける音──『ユーフォニアム』に刻まれた記憶と希望
しかしながら、『響け！ユーフォニアム』の歩みは、決して順風満帆なものではなかった。2019年に発生した京都アニメーション放火殺人事件により、本作のキーパーソンであったアニメーター・池田晶子氏が逝去したためである。
池田氏は、本作においてプロジェクトの立ち上げ当初からキャラクターデザインおよび総作画監督を務めており、作品のビジュアル面を根幹から支えてきた人物である。その繊細かつ柔らかな線によって描かれるキャラクターたちは、視聴者に強い印象と深い感情移入をもたらし、『響け！ユーフォニアム』の世界観を象徴する重要な要素のひとつであった。
また、池田氏は『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズにおいてもキャラクターデザインを担当しており、その確かな技術と表現力は、日本のアニメーション界において高く評価されていた。彼女の早すぎる死は、京都アニメーションのみならず、日本のアニメ業界全体にとって大きな損失であったと言える。
それでもなお、『響け！ユーフォニアム』は、池田氏の残した設計と想いを受け継ぎながら、今日に至るまで作品を紡ぎ続けている。彼女が遺したキャラクターたちの息づかいは、今もなお画面の中で確かに生きており、その姿は多くのファンの記憶に深く刻まれている。
特製ブックレットに台本も！ イベントのすべてが詰まった永久保存版BOX——10th Anniversary Event Blu-ray BOX
そのような歩みを経て、ついに10周年を迎えた『響け！ユーフォニアム』。9月24日販売される『響け！ユーフォニアム 10th Anniversary Event Blu-ray BOX』は、10周年を記念して開催されたイベント「響け！ユーフォニアム 10th Anniversary Event」の模様が、余すことなく収録されている。
本商品の初回特典には、デジパック仕様の特製三方背ケースをはじめ、イベント内で実際に使用されたアフレコ台本、当日の臨場感を伝える写真や詳細なライブレポートを収めたスペシャルブックレットなどが同梱されており、ファンにとっては見逃すことのできない豪華な内容となっている。
